04620-161220 アクティブ・ラーニングの基本手法は「教えあい」
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SIGMA sd Quattro + 24mm F1.4 DG HSM
2016年5月から継続している司法試験の論述試験の答案を起案するゼミ、通称「ドラゼミ」に新たなメンバーが加わりました。法的な文書を書き起こすことを「起案」といい、英語ではdraftingなので、「ドラフティング・ゼミ」、略して「ドラゼミ」。 成蹊大学ロースクールを修了して司法試験未合格の研究生Nさん、成蹊大学法学部のshioゼミ3年生S君、2年生Tさんの計3名とshioとで続けてきました。週3回か4回、夜19時くらいから24時とか26時まで、各メンバーが書いてきた答案を一言一句、shioと一緒に検討しています。WorkFlowyを使っているので、学生が書いた論文はリアルタイムで全員が読んでコメントできます。 https://flic.kr/p/TvSxbf https://farm3.staticflickr.com/2926/33812234030_b695d0ac22_k.jpg
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今週、SFC(慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)でshioが担当している「民法演習」を履修している1年生O君と食事をしていたら、彼も予備試験を目指しており、ドラゼミに参加したいとのこと。 ウェルカム。もとよりshioがボランティアで行っているゼミですから、論文を書けるようになるための訓練をしたいと本気で考えて、実際にガシガシ書いてきて他のメンバーに「教える」心構えがある人なら大歓迎です。
今日(2016年12月20日)、SFCからの参加者O君が加わったドラゼミを5人で初めて実施しました。20時から24時まで、みっちり。
O君は非法学部の1年生でありながら、今日のドラゼミに参加することが決まった昨晩から今日までの間に、過去問1問の答案をしっかり完成させてきました。素晴らしい。
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それに対して発足メンバーの一人である法学部の2年生Tさんが、考え方の基礎、条文の読み方、図の描き方、書き方などをどんどん教える。素晴らしい。Tさんは、ドラゼミを始めた当初は、ほとんど論文を書けなかったのですが、今ではこうしてスラスラと教えることができる。論文も書けるようになってきた。半年で目覚ましい成長を遂げました。うれしい。
NさんがTさんやS君を教えて、Nさんの理解が進み、申し分ない答案を書けるようになってきた。これからTさんS君がO君を教えることで、TさんS君の理解が進み、もっともっと書けるようになっていくことでしょう。さらに成蹊大学法学部2年生のK君も参加し始めていて、NさんTさんS君はK君にも教えており、それぞれ力を伸ばしていくことでしょう。
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educationの基本手法は「教えあい」。educationとはeduce(引き出す)こと。学生が持っている力を引き出すのがeducation。他人に教えることによって、持っている力が引き出されていきます。 「教育」とは「(教員が)教えて、(教員が)育てる」のではありません。「(学生が)教えて、(学生が)育つ」のです。だから学生が教える機会をできるだけ増やす。そのために、学生同士の「教えあい」の機会をたくさん設けることによって、学生たちの力を引き出すのが教員の役割です。 shioの授業もshioのゼミも、僕と学生との「教えあい」の場、そして学生同士の「教えあい」の場。だからshioの授業は楽しいし、shioゼミは面白い。そもそも大学における人間関係すべてが「教えあい」であるべき。その相互作用に参加すればするほど学習、研究が進みます。
educationの基本手法は「教えあい」です。それは同時にアクティブラーニングの基本手法でもあります。 https://flic.kr/p/U3dgLJ https://farm3.staticflickr.com/2821/34155579326_6de071605b_k.jpg
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念のため申し添えますが、世に言う「学び合い」は「教えあい」の結果です。「教えあい」をするとその結果として学び合うことになります。だから実践すべきは「教えあい」。
give and take は give が先。「学び合い」だと「みんなでtakeしましょう」となりますが、誰もgiveしなかったらtakeするものが存在しません。社会に対してさまざまな価値をgiveするスキルを身につける過程が教育です。 Give, give, give, then given.
人に対して与え続けて(giveを繰り返して)いると、いずれ自分も人から与えられる(given)。だから「教えあい」が基本です。
写真は法学部1年生のゼミ生たち(ドラゼミメンバーではない)と箱根に行った時に、SIGMA sd Quattroで撮影したもの。
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By 塩澤一洋, Kazuhiro Shiozawa on December 22, 2016.
Exported from Medium on May 2, 2017.